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2008年04月10日

なぜ、いま、日常ながら運動なのか

私は、身長176cmで体重67kg、ウエストサイズ73cmと、20代後半の頃の体型を、全く苦労せずに長年維持し、メタボ、生活習慣病とも無縁である。

健康維持、ダイエットのために特別な食事制限もきつい運動も一切していない。唯一心がけていることは、パソコンしながら、電車に乗りながら、会議しながら、テレビを見ながら、家事をしながら、風呂に入りながら、ちょこちょこと体を動かし、筋肉を軽く刺激し、適度に体を伸ばすだけだ。

そんな程度の運動でメタボの予防・改善効果があるのか?と思うかもしれない。特に、男は「ちゃんとした、ダイナミックな、汗をダラダラかくようなきつい運動」に達成感を求めがちで、日常生活の中で行う簡単な運動など、どちらかといえば「運動をちゃんとできない人」「意志の弱い人」「ぐうたらな人」のためであって、気休め程度に捉えるのではないだろうか。

しかし、よく考えてみよう。ちゃんとした運動、 きつい運動が運動不足解消に効果を上げてきただろうか?生活習慣として定着してきただろうか?そうでないことは、この四半世紀にわたり急増し続ける肥満、生活習慣病が証明していることだ。

運動が続けられない言い訳はさまざまである。「仕事が忙しくて時間が取れない」「きつくて楽しくない」「準備や着替えが面倒だ」「人前でやるのは気が重い」「運動は疲れる、疲労がなかなか抜けない」「運動するとつい食べ過ぎ食みすぎになる」 「苦しい割にはダイエット効果が出ない」「経済的負担が大きい」等々。要は、自分のライフスタイルに無理に上乗せさせる特別な健康づくり、ダイエットは頑張って1カ月、2カ月は続けられても、半年、1年、ましてや一生となると99%続かないということなのだ。

健康づくり、ダイエットのための運動に対する考えを根本的に改める時期にきている。生活を改善しましょうなら誰でも簡単に言える。大事なことは、どのように変えたらいいのか、また現実的なのか、実行しやすいのか、生活習慣となり得るのか、具体的な方法はどうしたらいいのかといった実践論が必要とされる。

発想を転換させよう。健康づくり、ダイエットを成功させるにはフィットネスクラブに行くことも、運動のためにきっちり時間を割くことも不要。 面倒もなく、体にきつくもなく、お金もかけることはない。それでいて、運動不足が解消され、肥満が解消され、メタボ、生活習慣病が予防される、そんな理想的な健康づくり・ダイエット法が、実は身近な生活の中に潜んでいるのだ。

日常生活の中で体を動かさなくなり、肥満したのならば、仕事、生活、家事をしながら、無理なく健康体を取り戻すのが一番自然なことだし、またそれが真っ当な考え方だといってよい。つまり、生活習慣から発生した健康問題を、生活習慣とかけ離れたところで解決しようとしてはいけないということだ。

私はこの日常生活に根ざした運動不足の解消、メタボ、生活習慣病の予防・改善のための運動を「日常ながら運動」と名づけた。

日常ながら運動とは生活活動(Activity)の一つ一つを意識して、「ちょっとすばやく、ちょっと力を込めて、ちょっと大きく」体を動かすことで、健康づくり、ダイエットに効果的な運動(Exercise)に変えることである。

長野茂

長野茂

長野茂ながのしげる

株式会社フィットネスビジネス研究所代表取締役

「日常ながら運動」のパイオニア。忙しい現代社会で自分のライフスタイルに無理を上乗せするような、特別な健康づくり、ダイエットはなかなか長続きしません。どんなに仕事が忙しくても、どんなに不規則な生活をして…

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