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2010年10月08日

“メールレター”の憂鬱

「猛暑の夏に今年は秋を飛ばしてお正月が来るかもしれないわね」と笑っていたことが、まんざらなことでもないような風情を見かけます。
 
 郵便配達のバイクの荷台に、年賀はがき予約受け付中のメッセージ。 
 老舗料亭のホームページには、お節のご予約承ります。
 文具店には、2011年手帳フェアー。
 
 お歳暮のご案内はまだのようです。ほっとします。

毎日が前倒しの連続のように思えます。もう少し歩を緩めてみませんか。

「”メールレター”の憂鬱」

「どう思う、このメールレター」といいながら、友人はメールを転送してきました。メールレターには、こんなご案内がありました。

『(前半部分略)私たちの店は、40代から60代のお客様によって支えられてきました。この気持ちを60歳代の人にプレゼントです』、とあります。

プレゼントの響きに弱い年代の友人(私もです)は、わくわくしながら文面を追っていきました。

『60歳以上の方限定、シルバー割引!
 菊、仏花、お榊、パックの花の消費税分がお安くなっています』

菊、仏花、お榊・・・・何だ、お彼岸ももう終わったと言うのに。
菊、仏花、お榊・・・仏様や神様のものばかりではないか・・・。
60歳代以上=仏や神の供養の花と言うことに憤りを感じているらしい(私もちょっとがっかりです)。

不特定多数(もちろんメール受信を希望した者に来るのであるが)に送られるメールレターに目くじらを立てることはないのですが、友人はどうも気に入らなかったようです。
きっと『シルバー割引』の文言も気に入らないはずである。何しろ先月に還暦60歳代に突入したばかりですから。
(ちなみに古希(70)喜寿(77)傘寿(80)米寿(88)卒寿(90)白寿(100)です。
111歳以上が、珍寿、120歳が大還暦、250歳ありえないでしょうが天寿、天寿を全うするというのは250歳!!のこと!? 驚異です)

プレゼントとあるからにはバラやゆり、欄の花・・・未来を明るく連想させてくれるものがいいと言う。色もカラフルなもの。いくつになっても花一輪をプレゼントされたいと友人は言います(同感です)。

もう何十年も前に航空会社の客室乗務員をしていたころ初めて行ったサンフランシスコの町の公園、きれいなピンクのスーツ、まぶしく透き通るような白髪にこれもピンクの帽子が飾られている老齢の婦人。

年を重ねるからこそ美しくありたいと願う。

これからのシルバー年齢へのアプローチは、たとえ死についてでも明るい未来として連想できる感性からの発想ではないでしょうか。 

青柳教恵

青柳教恵

青柳教恵あおやぎみちえ

OFFICEAOYAGI 代表

人生100年時代を生きる人と組織、社会の成長を願って。 自分らしく生きるための「仕事」「生活」「サードステージ」のヒントを人材育成研修講師・キャリアコンサルタントの視点で提供していきます。 日本航…

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