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2018年03月20日

飲み会を断る若手、女性部下との接し方

管理職研修では、「ダイバーシティマネジメント」という女性部下を含めた異なる特徴を持つ部下をどのように管理、育成していくのかをテーマにご指導させていただいています。対象となる管理職の多くは、40-50代の男性です。私も同年代なのでわかりますが、彼らが部下だった頃の管理、教育とは大きく異なっていますから、要注意です。
大きく異なる点は、
1.彼らが若手だった頃は、女性は長く働き続ける時代ではなかった。女性は、男性のサポート、アシスタントとして、一般職など内勤事務の仕事が中心だった。しかし、今は女性含め、誰もが働き続ける時代となっている。
2. 彼らの若いころと、男女ともに若手の人生観、キャリア観が変化している。特に20代は、学生の頃、叱られるという経験も少なく、丁寧に育てられてきた人も多い。やりがいを感じるポイントも異なるため、いわゆる出世だけがキャリアビジョンではない。
3. これからの少子高齢化に向けた働き方改革では、様々な状況の人がより多く、労働市場で活躍し続けられるよう、残業時間やテレワークなど、働く形を変えていくことが、日本社会では期待されている。

現在、急激な変化に対し、どう接したら正解なのかがわからないと、どの組織の管理職も頭を抱えている様子が伺えます。上記の3点から、管理職は、自身と異なる価値観を持つ部下や、自分たちが若かったころの頑張り方とは異なる指導、関わりをしていく必要があります。
どう接したらいいかという点ですが、そもそも部下のことを実はよく知らないという管理職も多く、相手の情報が少ないために、対処方法がわからないのは、当然のことと言えるでしょう。

しかし、管理職の皆さんは、こんな風に悩んでいます。
「確かにもっと腹を割って部下とコミュニケーションをとらなくてはいけないと思っているんですが、最近の若者は、飲み会を断るんですよ。それに女性は、お酒の席に誘うこと自体、セクハラと認識することもあるし。サシでお酒を飲みながらでこそ腹を割って話せるものなのに、それができない。」
実はこの悩み、管理職研修のほとんどで出てくる声なんです。確かに私が若いころは、男性上司と二人で飲みに行ったこともありました。飲みの席で、事の真相や上司の本音を聞けることもたくさんありました。それが今の時代できなくなっているのに戸惑っているのは、理解できるような・・・気がします。

私自身、若いころの上司と飲みに行ったときの会話を回想してみたのですが、なんと思い出せるのは、酔った上司が職場では話さない本音をお酒の力を借りて話す姿ばかりで、時に、延々と部下を並べて説教する上司もいました。この光景を思い出したのは、先日、出張先でひとり夕食を食べているとき、隣の席に40代後半の男性と20代半ばの男性、おそらく上司部下の関係のふたりの会話が聞こえてきたからです。
時間が経つにつれ、話しているのはほとんど上司で、部下は聞き役。お酒の量も上司の方が明らかに多く、あっという間に酔っぱらって、何度も同じ話を繰り返し説教をしていました。若手の部下は、何度も時計を見ながら、「はい、そうですね」とうなずいていたのが印象的でした。

ここで気づいたことは、お酒を飲みながら腹を割って話しているのは部下ではなかったんだということです。アルコールの勢いで、仕事場では話しづらい本音や職場で注意したかったことをお酒の席に持ち込んでしまっているのは上司のほうだったんです!

また、ある管理職の女性は、こんなことをおっしゃっていました。「自分は子供も小さいし、早く帰らなくてはならないから、夜の席で語り合うことはできないので、最初、管理職なんてできないと思ったのですが、なんてことない、ただ昼間に話せばいいだけだったんです。」

確かに、私も企業にコンサルタントとしてお伺いするときに、社員と面談をすることがあるのですが、若手や女性はじっくり質問をしていくうちに、アルコールやおいしい食事が目の前になくても、本音をたくさん語ってくれます。

アフターファイブにリラックスしてチームで食事に行くのは、いいことだと思います。しかし、そこには仕事の話はむしろ持ち込まないくらいの気持ちで催すことが大事です。

若手や女性にとって、お酒の席は無礼講ではありません。次の日も覚えています。
お酒の力を借りるのは、むしろ危険なことがたくさんあると言えるのではないでしょうか。
みなさんもご注意ください!!

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

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