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2020年05月22日

変わる働き方~メンバーシップ型からジョブ型へ~

 在宅勤務ももうひと頑張りかと思いますが、今回の新型コロナ騒動を機に、多くの企業が働き方について、考え直しています。

働き方の変容

ある企業の管理部門の方にお伺いしたところ、
「うちは、週5日間のうち、2日出社、2日在宅、残り1日を自由など、在宅と出社の両立を検討している」
との回答が返ってきました。

余談ですが、日経新聞2020年5月15日朝刊によると、在宅勤務者、在宅勤務の時間を増やすことによって、特に新興企業を中心に、固定費となるオフィス賃貸を見直す動きになっているそうです。一方、グーグルのエリック・シュミット元最高経営責任者(CEO)は10日に出演した米テレビ番組で「(今後は)社員が距離をとって働く必要性が高まり、必要なオフィスの面積はむしろ広くなる」との見方を示した(記事抜粋)との内容も。

今までは、ホワイトカラーであれば、月曜日から金曜日まで、有給休暇、時短、フレックスなどの変則的な働き方もとり入れつつ、基本は決まった曜日、時間で出社することが決まりでした。しかし、これからは、その概念を崩すことになりそうです。

このように、今まではみんなが一緒の場所で仕事をする、(嫌でも)顔を突き合わせることで、コミュニケーションする機会もあり、誰が今、どんな状況なのかを目にすることができました。まあ、そうは言っても、ITが業務ツールの主役になっていない時代よりも、コミュニケーションは減ったとは思いますが。

チームの在り方

先日、ある女性の相談をオンラインカウンセリングにてお受けしていたのですが、コロナ禍に管理職に昇進し、チーム運営をどうしたらいいのか、困っているとおっしゃっていました。具体的には、今までは、目の前に部下がいて、すぐに指導したり、様子を見たりすることが可能でしたが、今はそれができないとのこと。このままいくと、評価面談の時に、何を評価すればいいのかを悩んでしまう、ともおっしゃっていました。

そうなのです。今までとの一番の違いは「チームの在り方」です。チーム員同士のコミュニケーションはもちろんですが、その前に在り方をどうするのか。そこで、最近よく言われている、メンバーシップ型をジョブ型に移行です。ちなみにメンバーシップ型とは、大手日本企業に定着しているパターンで、新卒一括採用し、入社後に配属先を決め、ジョブローテーション、転勤を定期的に行う方法です。会社基準の人物像に合う人材を採用し、そのあと仕事を割り振る、仕事しながら成長していってもらうといった感じで、端的に言うと、人に仕事が付くといったものです。一方のジョブ型は、仕事内容に合わせての採用です。このポジションにはこういう専門性、経験のある人という職掌定義ありきなので、こちらは端的に言えば、仕事に合わせて人を採用するパターンです。

メンバーシップ型からジョブ型へ

コロナ禍以前も、日本もジョブ型に変えていった方がよいのでは?といった議論はされていましたが、管理の点でも、いよいよジョブ型の方にメリットを感じるようになるかもしれません。

現在、出社パターンの変化により、全員が一堂に会する機会が減ることで、スケジュール共有、例えば、ミーティングの時間、フィードバックの仕方、ここはチャットかメールか、オンラインなど、コミュニケーションの取り方の決め事は既にどの企業でもだいぶうまく回せているケースが増えていると思いますが、一方で、この状況下、こんな悩みも人事や管理職から出てきています。

「あの人にお願いしていた仕事が、在宅勤務導入によって、なくなってしまった。以前は、終日社内にいたのでわからなかったが、就業時間7時間中、凝縮すれば、2時間で終わる仕事を依頼していたことがわかった」

コロナ後、この人たちの仕事をどうするのか、会社は悩んでいます。しかし、違う側面から物事を見れば、時間で測ることなく、パフォーマンス評価であれば、2時間で終わることが悪いわけではありません。

このように、時間で測るという概念もなくすことになりそうです。

そう考えると、話は戻りますが、これからの管理・評価する方法として、ジョブ型の方がお互いにとってよいのかもしれません。もちろん、日本仕様、業界ごとに合う仕様にカスタマイズする必要はあると思いますが、今まで議論に上がってきていたことを一気に実践する時ではないでしょうか。

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

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