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2020年06月22日

コロナ後、変化する企業の教育OJT編

今後企業が検討するべきこととは?

コロナ第二波を心配しつつ、どの企業も今後のビジネスモデル、働き方など、模索中です。

そこで、検討するべき点を簡単に羅列してみました。

 ①ビジネスモデル

  • 提供するもの
    ⇒コロナの影響で、本当に必要なものが残っていきます。今のサービス内容は環境変化、市場のニーズにマッチしているかの見直し
  • 売り方
    ⇒対面が難しくなっている中、売る方法の見直し
  • お客様
    ⇒お客様は今までの相手が対象でよいか

②固定費と制度(ハード面)

  • オフィスの場所、面積、賃料
  • テレワークできるIT環境
  • 社員の出勤・時短、福利厚生のルールと評価方法

③固定費(ソフト面)

  • 人件費
  • 採用、教育方法や費用

どの企業もこのような点を見直しているのではないでしょうか。私は人材コンサルタントとして②と③について関わっていることが多いのですが、どの企業も今までの在り方をよい意味で疑問視され、これからに備えようとしています。

前回のコラムで、採用に関しては触れましたが、今回は教育について、です。ちなみに前回のコラムでは、採用する際に、「とりあえず採用してその後仕事内容を検討」というメンバーシップ型から「必要な要件を明らかにし、それに見合った人材を採用」というジョブ型採用がよいのでは、という話はさせていただきました。

企業の教育について~OJT編~

教育の場面はOJTとOFFJTがあります。今回は、OJTについて考えてみたいと思います。コロナの影響から、OJTでもOFFJTでも、人と人が接しての教育が難しい状態にあります。OJTにおいての課題の声として

  • 「新人が入社してきたけれど、一度も直接会っていないまま、6月に」
  • 「新人が、一度もお客様先に訪問できていない」
  • 「メンバーの指導育成がその場ですぐにできない」
  • 「在宅ワークになり、意外と自分の仕事に集中でき、忙しい。目の前のことであっという間。先々のことができていない」

 一方、よい例としては、

  • 「オンライン、在宅ワークにより、多少時間に余裕ができたので、ワンオンワンミーティングの時間を掛けることができ、今後のキャリアについてもじっくりと話せてよかった」

などが私のお客様からの声としてあがってきています。

日頃の育成方法もコロナの影響で今まで通りのやり方では厳しくなり、新しい方法とより、「育成」を意識して関わる必要があります。
見ていれば部下の状態がわかる、会って信頼関係を築く、上司の様子を見て仕事を覚える、その場で指摘してもらえる、などの機会が少なくなっていっています。

そこで、管理職が今まで以上に意識して身につけ、発揮するマインド・スキルは、
「育てようとする意識」と「丁寧なコミュニケーション」です。

ちなみに部下育成は、どこを目指すのか、というと、部下それぞれの持ち味をベースとしてそれを発揮しつつ、できることを増やしたり、自信を持ってモチベーション高く主体的に活躍できる状態に育てる、ではないでしょうか。
自立的に自分のキャリアを形成していける人材に育てるために、上司は何をすべきでしょうか。
おそらく、「部下を理解する」「心から期待する」「任せる、考えさせる」「仕事のやり方を指導する」などかと思います。

さて、実はこれら、コロナ前でも上司が部下を育成するために意識するべき点でした。つまり、どのような状況だろうが、一緒、ということです。
コロナ前は、できているつもり、やっているつもり、わかっているつもり、だったことも多いのではないかと察します。しかし、在宅ワークになって、それがつもり、だったことが浮き彫りになった方もいたことと思います。
なぜ、「つもり」になっていたのでしょうか。それは、日ごろ同じ空間にいることで、目の前に部下がいますから、見ているつもり、と錯覚を起こしていたのです。そしてコミュニケーションも、同じ空間にいると、言わなくてもわかるでしょ、となりがち。

今後の上司の在り方として、自身の固定観念を捨て、「自分とは違う部下のことを理解し、育てる」ことかもしれません。
そして、そのために、「丁寧なコミュニケーション」が必要です。

「丁寧なコミュニケーション」とは?

オンラインでは、既に体感していらっしゃることと思いますが、端的に伝わるように言葉にすることがいかに大切か、ということ。そして、伝わるためには、相手に伝わる言葉を選ぶことが重要であること。

相手に伝わるようにするためには、まず、部下がどういう人か理解することです。そのためにも上司は部下の話を事細かに傾聴し、それを否定せずに受け止めることで、理解に繋がります。このような時間を定期的に確保するとよいでしょう。
特に話すことはない、なんて思わずに、毎回テーマを決めて話してはいかがでしょう。例えば、「将来のことで不安に感じていること、やりたいこと」「今のライフイベントでの悩み」「自身はどういう性格だと思っている?」など、たくさん聴いてください。
相手のことがわかれば、どのように伝えたら理解するか、やる気になるか、のヒントが見えてきます。

また、「上司が自分をどう評価しているのか。評価面談がとても不安です」
こんな相談を部下の立場の方から受けたのですが、日ごろの仕事のみになりがちなオンラインでのやりとりの中、こんな風に感じている部下もいます。
日ごろのフィードバックも具体的に上司が言葉にする大事さが伺えます。もちろん、自分から部下本人も発信する必要がありますが、そのためにも上司は部下が発しやすい雰囲気や時間を意図的につくることも大事です。

コロナ後の部下とのコミュニケーション、見直してみませんか?

次回コラムのお知らせ

次回はOFFJTとなる、研修の在り方についてお話したいと思います。

藤井佐和子

藤井佐和子

藤井佐和子ふじいさわこ

キャリアアドバイザー

個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…

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