最近増えているご相談に、産休育休明けの復職支援をどのようにしたらよいか、といったものがあります。時間短縮制度を利用しながら復帰をされる方も多い中、上司も本人も、そして周囲も悩みます。それぞれがうまく関わりあって成果につながるように働くには、どうしたらいいのでしょうか。
今回は、まずは復職される女性本人の課題から考えてみたいと思います。
先日、あるイベントで、復職ランディングセミナーというものを担当させていただきました。内容は、復職を控えている、もしくは時短を利用しながら働き始めた女性を対象として、これからも活躍し続けるために、この節目を前向きにとらえて自分なりのワークライフバランスを検討していただく、というものでした。
そのセミナーに参加された皆様から上がってきた声は「不安」です。管理職研修で相談を受ける内容として「権利の主張として使っている女性がいて、対応に困る。注意もできないし・・・。」という悩みがあるのですが、やはり「自分で受けたい」とセミナーに来られる方はそうではなく、「キャリアも考えたい。だからこそ両立に対して不安を感じる。」という方ばかり。
主な不安の声は
「自分だけお先に失礼します、というのが申し訳ない」
「提案したいことがあっても、結局は自分ができないので思っても言わない。今は、粛々と目の前の仕事をこなすだけ」
といったもの。
この悩み二点に共通して欠けている視点は「チームプレイ」です。会社としてやったほうがいい、と思う課題は自分一人では解決できないことばかりで、これはお子さんがいてもいなくても一緒です。気づいた課題は声に出さないと会社に貢献できません。会社にとって、周囲にとって「すべきことだ」と思うことを言い、実施することが貢献に繋がります。繰り返しですが、その際に自分一人でやるのではなく、周囲にどう関わってもらったらいいのか、チーム単位で考えていくことが大事です。その際、私はここまでできる、という範囲を周囲に伝えてみてはどうでしょうか。
そして、お先に失礼しますと言うのが申し訳ない、という悩みですが、当然時間は限られています。その時間にあがらなければ保育園にお迎えに行けません。そう、時間の件はどうしようもないことなのです。また一方、子どもは成長していきます。ずっと同じ状態が続くわけではありませんので、「今、そんな自分ができることは何だろう。」これを考えてみます。つまり、時間以外でできること、です。
子育てなどの時間に関係なく、私たちはチームで働く以上、ギブ&テイクです。ここのルールで社会は回っています。時間では返せないが、他のことで周囲に返せることはないだろうか・・・。ここをちゃんと考えていただく必要があります。
実際にセミナーでは、そういったことを考えていただくこともあり、意外と「これだったら返せる!」と発見される方も少なくありません。
そして、何よりもセミナーで皆さんに考えていただくのが、「産休育休前にやりがいだったこと」と「培った強み」です。しばらく仕事を離れていると、成功体験や自分の持っている力を忘れるものです。今一度、思い出していただくことで、しっかりと仕事に向き合い、スタートが切れるのではないでしょうか。
次回は、そんな産休育休/時短制度を利用する女性がいるチームをどう率いるのかなど、管理職側の課題について考えてみたいと思います。
藤井佐和子ふじいさわこ
キャリアアドバイザー
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