先日、ある企業から「女性が管理職として活躍するための行動について、トレーニングしてほしい」とのご依頼がありました。
キャリア相談では、「管理職の女性が一生懸命真面目にやっているのに、認めてもらえない」と悩んでいる方が足を運ばれるケースが多く、女性は行動や言動で損していることがあり、それを知らずに日々頑張っている人が多いのでは?と思っていた矢先のことでした。
まず、これは度々言われていることですが、男女ではルールが異なります。男性の多い職場では、比較的トップダウンで物事が進みます。(一方、女性が多い職場では、平等、公平など、横並びルールで進みます)
ルールは見えないですが、それを破ると、「この人は信頼できないな・・・」と相手に不信感を与えるもの。そして、仲間としてみなしてもらえなくなります。
「彼女の言っていることは正論なんだけど、ちょっとな~。」こんな風に思われている女性は、男性のルールを悪気なく破っていることが原因だったりします。
ルールを尊重することも大事ですが、コミュニケーションにもうまくいくヒントが隠れています。
そこで、仕事でうまく切り抜けている女性の共通点を観察したところ、以下の2点がありました。
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1.発信する力を持っている
女性同士のコミュニケーションは、お互いの気遣い、察することで通用することも多いですが、男性は女性よりもはっきりと伝えないと、正しく受け止めてくれません。それどころか、間違って解釈して伝わってしまうことも多いようです。同じ言葉でも、男女ではその意味合いが違うこともありますし、何よりも、察してくれるのを期待しても、それは叶わないものです。きちんと言いたいことを前向きに、会社視点でイエス、ノーを表明すること、また、言葉の定義を明確にしてから話を進めることがポイントです。
2.論理的に事実に基づいて伝えている
1にもつながりますが、憶測、なんとなく、気持ち中心の発信を極力避けることです。提案で最も通りづらいのは、根拠や裏付けが明確ではないことです。会社で物事を進める際に、一人が同意してくれても、多数、および、上の人たちが理解納得しなければ、協力してくれなかったり、承認されなかったりします。「そうは言っても、男性だって論理的ではないことがあっても通ることはあるじゃないか。」そう思われることもありますが、残念ながら、女性に対する固定観念として、論理的ではない、感情的になる、と思われがちです。それをカバーするためにも、一層意識して、事実を論理的に伝える、結論から先に言う、根拠となる裏付け、データは質問されても戸惑わないように準備しておく、などが大事です。
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ビジネスでは、男性に協力してもらわないと進まないことがたくさんあります。女性のやり方、考え方を理解してもらい、合わせてもらえることを期待していても、うまくいかないのではないでしょうか。
さて、男性社会の中でたくましく活躍されている女性たちと会話していると、普段は女性らしく、感情豊かで、話の一貫性がなく、順序立てて喋らない方も少なくありません。そんな彼女たちが、仕事の場面になると、急にスイッチが入る様子を何度も見たことがあります。
普段からスイッチを入れていては、疲れてしまいますから、仕事の場面は意識してスイッチを入れてみましょう。
実際に、研修や個人が受けるセミナーで、ロジカルシンキングを学んでいただくことがあるのですが、セミナー後、習得したスキルを使って会社でプレゼンしたら、上司が納得してくれた、という報告を受けます。苦手意識の高い方も、これはテクニカルスキルです。一度、型を習得してみると、スムーズに仕事が回るかもしれません。
藤井佐和子ふじいさわこ
キャリアアドバイザー
個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…
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