先日、ある女性誌から女性の転機についての取材を受けました。私は日々、女性を対象としたキャリアカウンセリングをしておりますが、今の会社を辞めたい、といったご相談も非常に多いです。そこで私から相談者に必ずお伺いするのが、「今の会社を辞めたい気持ちのパーセンテージ」です。中には半々、という方もいらっしゃいますが、90%以上の気持ちで相談に来られる方も少なくありません。
90%以上の方たちの共通した特徴は、一度辞めたいと思ったら、その気持ちは後戻りできないといった点です。
企業研修やコンサルティングをする中でも、同じようなことに度々出会います。
「女性が次々に辞めるんだよ、何が起こっているんだか・・・」人事担当者から相談を受けることがありますが、男性はというと、女性に比べると一気に離職することは少なく、辞める人は辞めますが、今の状況がよいと思っていなくても、残る人は残ります。
ここに、男女の心理的特徴の違いが表れているのではないかと感じます。これは一説によると、男女のホルモンの違いだそうです。男性ホルモンであるテストステロンは、この値が高いほど危機的な状況で興奮し、力を発揮します。その際、自身の気持ちに鈍感になり、ミッションに向けて、ギリギリまで頑張れるそうです。ギリギリまで頑張るためには、自分の気持ちに鈍感である必要があるとも言えます。徹夜したり、無理な目標があったりと、追いつめられる状況に強いのです。
一方で、女性ホルモンであるエストロゲンは、この値が高いほど、そのような状況だと不安になり、力が発揮しづらくなります。男性が闘争で闘おうとしている同じ時、女性は逃走したくなるのです。女性が最も力を発揮できる環境は、安心できる、リラックス状態にある時だそうです。安心、安定を守るために頑張ろうと力を発揮するのです。
もしかすると、女性が辞めたくなる時、また女性が次々に辞めていく組織は、職場環境がギスギスしていたり、数字数字と闘争状態にある時かもしれません。
またもうひとつ、女性の特徴は共感力です。これはよいことにも影響を受けますが、悪いことにも影響されます。特に人の気持ちに影響を受けることが特徴的です。そのため、誰か同僚が辞めると、自分も辞めないとまずいのでは、となんとなく不安を感じ、そして、その辞めたいスイッチが入ると、それしか選択肢が見えなくなります。
カウンセリングでは、もうちょっと今のところで実績が積めるはず、今辞めるよりもっと経験を積んでからの方がよい転職ができる、などと伝えても、冷静に聞く耳を持てない人も少なくありません。
そしてその際、まずは今の状況を脱却したい気持ちが先行し、情報を集め、分析することができなくなってしまいます。とにかく動かないと、逃げ出さないと、不安になってしまうのです。
このようなことから、考えられる課題をまとめてみますと、女性活用を考える上で組織が男性主体の論理でまわっているのであれば、女性も力が発揮できるような職場環境づくりを心掛ける必要があります。また、管理職も男女の違いや女性にとって大事なこと(職場環境のよさ、管理職に相談しやすい、言いやすい雰囲気など)を理解し、組織作りに女性目線を取り入れてみてください。
そして、一方の女性自身も、周囲に影響されないように、まずは自分のビジョンを明確にし、自分は自分、人は人と、自分と周囲の人の感情を切り分けることを心がける。そして、なんとなく不安と思っていることがあれば、その不安を具体化するために、また不安が事実に基づいた不安なのかを検討するために、正しい情報収集とそこから客観的に考えるクセを付けてみてください。
経済は感情で動かされていると言われています。組織も女性本人も、感情に振り回されず、着実に結果が出せるよう意識することが、変化の激しい今の世の中に必要なことではないでしょうか。
藤井佐和子ふじいさわこ
キャリアアドバイザー
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