私は日々、女性のキャリア相談に乗っているのですが、その中で度々、転職に関するご相談を受けています。今の会社の職場環境では自分の成長が止まってしまう、時間がもったいない・・・成長意欲の高い女性は、やりがいのない状態を耐えることができないようです。今すぐ何とかしたい!ということで転職活動を考えて、ご相談にいらっしゃいます。
特に最近感じることですが、企業は女性活躍推進法に伴い、優秀な女性たちを積極的に採用しています。しかし現場の上司たちは、どのように仕事を任せたらいいのか戸惑ってしまっているのも現状です。持て余してしまっているのです。答えは、女性だからと変に配慮しすぎずに、どんどん仕事を任せるべきなのですが、大手の組織に所属する男性管理職の多くが、そんなことはできないと躊躇してしまっているのです。
先日もある企業研修で、総合職の女性が、「自分からガツガツ取りにいかないと、チャンスがもらえない。男性の同期は普通に仕事を任せてもらえているのに・・・。私たち女性は、何とか隙間に入り込んで、おこぼれの仕事をチャンスと思って頑張るしかない、このままではモチベーションが維持できない。」と嘆いていました。
本当に、上司次第です。このような状況にしびれを切らして、せっかく入った難関の会社も辞めたいと感じる女性も多いのです。しかし、キャリア相談で女性たちの話を聞いていくと、不足している行動があります。まだまだやるべきことがあるのに、転職しかないと思い込んでいるのです。やるべきことはなんでしょうか。
それは社内営業です。社内の人脈づくりを重要だと思っている女性は少ないのです。特に大手では、味方になってくれる人、相談に乗ってくれる人、ポジションが空いたら声をかけてくれる人、などなど。そう、一つの部署と上司だけで判断しないでほしいのです。先に、上司次第、と書かせていただきましたが、これは女性だけでなく、男性だって同じです。外への転職だけでなく、中での異動も視野に入れて、解決策を見つけていただくことが大事です。
そのために、社内営業と同時に社内リサーチも欠かせません。会社の中に、どのような部署があるのか、これまたあまり知らない人も多いようです。そうすると、自部署か、外への転職かの選択肢となってしまいます。社内の選択肢も大手であるほど、広げられるはずです。そしてその際、社内公募という手もありますが、もっと水面下でできること、それが社内営業です。
長い会社人生の中で、山あれば谷あり。長い目で見れば、今をどう乗り切るか、流れが変わるのを待つか、動くか、タイミングを見ることが大事です。それとセットで必要なことが、先ほどお伝えした社内営業と社内リサーチです。
では、タイミングではないときに何をしていればいいのか、といったご相談を受けることもあるのですが、すべきことは、将来のために必要な勉強をすることと、今の職場で上司や周囲から評価されておくことです。しっかりと目の前のことをしながら、人脈を作り、情報収集を欠かさない。このような動きをしていくことで、転職せずにチャンスをつかむことができます。
女性は特に、ライフイベントのタイミングを考えると、焦りがちになります。急がば回れ、ではないですが、ライフイベントを乗り越えながらも長く働くことを考える必要があるからこそ、着々と淡々と、上記のポイントを意識して動いてみてはいかがでしょうか。
藤井佐和子ふじいさわこ
キャリアアドバイザー
個人と企業からの依頼によるキャリアカウンセリングは、延べ17,000人以上の実績。学生からシニア層まで年齢や性別を問わず、自分らしいキャリアデザインをするための選択とアクションに向けたカウンセリングを…
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