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2008年06月10日

日常ながら運動を生活習慣にするためのポイント

4月からスタートとしたメタボ健診制度、一部の大手企業の健保組合では、1年前からメタボ社員の実態調査、メタボに関する知識、情報の発信、試験的なメタボ健診、適切な運動や食事の指導の実施、さらには社員の健康意識向上のためのインセンティブを与えるメタボコンテスト、ハード及びソフトの開発と提供のサポートなどを行ってきた。

このようなメタボプロモーションは健康意識の向上、内臓脂肪肥満とそれに大きく関連する生活習慣病の正しい理解、健康づくりのための運動習慣と食事管理の重要性、腹回りのサイズダウン、減量などの一定の効果も見られたが、一方、予想されていたとはいえ、早くも運動の継続という難問が立ちはだかり、健保組合も社員もこの「古くて新しい」テーマに悩まされるのは確実である。

ある企業の健保組合の担当者は、「とにかく義務付けられたメタボ健診制度を軌道に乗せ、受診率を高めることが最優先、そのための運用方法、成果の取りまとめ方法、実施マニュアル作りなどの作業に追われてきた」「実のところ、本来の目的である運動を生活習慣にして内臓脂肪型肥満を減らすという具体的な方策に関しては、まだ雲をつかむような状況だ」「目先の興味を引くイベントやアメとムチ的な対策では、もって3ヶ月、その後は、興味あるものだけが継続するという傾向は明らかで、恐らく真剣にメタボ対策に取り組む社員は1割を切るのではないか」と不安を隠せない。

日常ながら運動は文字通り、日常生活活動にオーバーラップさせて行うものだから、気負うことはない。生活活動をしながら、仕事をしながら、通勤の途中で気軽に、自然体で行なえばよいのだが、生活習慣を少しでも変えるということは、かなりの思い入れや覚悟がいるものだ。甘くみてはいけない。「禁煙、禁酒なんて簡単さ、いままで何百回もやってきた」という格言を思い出そう。

そこで、今回は日常ながら運動を確実にマスターする方法を紹介しよう。

あなたは仕事の目標を立てて達成させようとするとき、思いついたまま、いきなりスタートさせますか?企画し、準備し、実行に移し、その結果を検証して、再構築するというように、徐々に目標に近づき成功してきたはずだ。打倒!メタボにも、このビジネスで培ってきたノウハウを生かして段階的に取り入れていくことをすすめる。

第1段階 いきなり生活習慣を変えない 
まず今の生活習慣を根本的に変えないで、そのまま活かす。この先30年、40年の健康習慣を身につけるのである。のんびり構えてもいけないが、「急がば回れ」ともいう。運動不足のものが急に走り出せば健康にもよくない。「WALK DON’T RUN」の心がまえでいこう。「今日から駅までバスに乗らずに30分歩こう」「事務所でエレベーターをやめて10階まで階段を上ろう」としてはいけない。それよりも、まずエレベーターの中でさりげなく「かかとの上げ下げ」をしたり、バスの中で「ひざを軽く曲げてそのまま維持」するといった技を取り入れることだ。1日パソコンに8時間向かって作業していたものが「メタボのためにデスクワークは3時間まで」とは、まずできない相談だ。まずは椅子に座ってできる運動を工夫するのが正しい道と心得よ。

第2段階 達成可能なゴールを設定 
さりげない運動が習慣化したらつぎの段階に移る。現状の生活習慣を見直し、軽い条件をつけて、できるところから少しずつ実行していく。「気持ちよく晴れた日は駅まで歩く」「昼休みとか仕事で出入りするときは階段を利用する。なかなかこないエレベーターを待っていることはストレスの元にもなる」「メイルをチェックする時間だけはながら運動タイムにする」

第3段階 すこし課題を引き上げる
第3段階は「歩くときは、大または速足でさっそうと歩く」「3階までなら、エレベーターを使わない、階段のぼりは2段ずつ、素早く上る」「1時間に1回はデスクワーク筋トレを行う」と決める。これができるようになると通勤も、階段も、デスクワークも絶好の運動のチャンスと思うようになる。

第4段階 価値観をみなおす
日常ながら運動を取り入れるようになると生活における合理性、効率性、利便性といったことの価値を捉え直すようになる。家電、車、パソコン、ITなど便利で楽な生活を追い求めてきた結果、最も大事な心身の健康を置き去りにしてきた。日常ながら運動に目覚めることは生活の質を見つめなおすことにも通じる。この自覚が生まれれば、日常ながら運動はほぼ成功したといえよう。

第5段階 プログラムする
最終段階はダイエット、お腹周りのサイズダウンなどの具体的な目標を定め、「最もやりやすいのながら運動は何か、いつならできるか、どの生活シーンでやるか」をよく把握して、「どのくらいの期間、時間、回数」で達成するのかをプログラムする。

数値目標のキーワードは「5to10」にある。次回は、それを詳しく解説しよう。

長野茂

長野茂

長野茂ながのしげる

株式会社フィットネスビジネス研究所代表取締役

「日常ながら運動」のパイオニア。忙しい現代社会で自分のライフスタイルに無理を上乗せするような、特別な健康づくり、ダイエットはなかなか長続きしません。どんなに仕事が忙しくても、どんなに不規則な生活をして…

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