職場の同僚や他部門とも「コラボレーション」という発想を生かすことで、これまでにない結果や関係を創り出すことができます。
それにはまず「あいつはライバル」「あの部署は自分の責任外」といったクローズド思考(自己完結型)をやめ、相手は自分の幅を広げるリソースを持ったパートナー」というオープン思考(他者利用型)に変えていくことからはじめましょう。
クローズド思考でいる限り、自分は孤立し、コラボレーションで得ることのできるアイデアや他人のリソースを使うことはできません。オープン思考であれば、「他人のリソースも自分の一部」(同時に自分のリソースも他人のものであるわけですが)ととらえることができ、より多彩でインパクトの大きいアイデアを実行することができるのです。
たとえば、ある会社の経理では、交通費の精算業務をしていたのですが、営業のほうから上がってくる数字にミスが多いことが問題となっていました。営業に聞けば「経理でチェックしないのが悪い」「フォームが記入しにくい」といい、一方経理に聞くと「経路が変わったあとの報告もない」「単なる入力ミスが多い」と、双方で責任のなすりつけあいをしていました。
そこで、営業部門がこれまでの「数字の管理は経理の仕事」というクローズド思考をやめ、自分たちから「新しいフォームの提案」を行い、両者が知恵を出し合うことにしました。その結果、より短期間でミスの少ないフォームを作ることができたのです。これも社内コラボレーションの成果です。
コラボレーションと聞いて、何も誰もが驚く新製品を開発する必要はないのです。これまで自分とは関係ないと思っていた同僚や他部門とうまく連携することで、ちょっとした効率改善につながったり、新しい企画が生まれたりします。組織で成功するには、自分ですべてをできることが大事なのではなく、誰とコラボレーションを組めるか、という連携スキルが大事なのです。ぜひ、コラボレーション的発想を職場に取り入れてみましょう。
次回は、部下とのコラボレーションについてお話します。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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