通常は、上司と部下の間には上下関係があり、指示する側、される側という関係が多いですが、最近の若者の中には、こうした関係を嫌がる者もいます。そんなとき、「部下とコラボレーション」という考え方をあてはめてみてはどうでしょうか。
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<部下とのコラボを成功させる2つのポイント>
1.プライドを横に置く
2.部下を見る視点を変える(短所、欠点→長所、得意分野)
3.上下関係ではなく、並列関係(パートナー)
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まず最初にすべきは「上司」という自分のプライドを横に置くことです。もちろん、職位的には自分のほうが上ですが、意識の上では、部下と自分はひとつの結果を創り出す同じプロジェクトメンバー、部下の横に座って一緒に動くという姿勢が必要です。ふだんの接し方では部下が萎縮してしまうので、思い切って任せてみましょう。
部下とコラボレーションする、という意識に変えたとたん、部下の見方が変わります。なぜなら、コラボレーションとは、自分のリソースと相手のリソースを掛け合わせることで効果が生まれますが、それには部下の欠点や足りないところではなく、部下の強みや良いところに目を向ける必要があるからです。自分の思い通りに動いてくれる道具とみるか、リソースを持った一パートナーとみるかで、まったく見え方が変わってきます。
ある会社のA部長は、古いタイプの人で、これまでまったく部下の意見も聞かず、自分の指示をおしつけていました。それは、職位でしか自分の優位性を保てないと思ったからです。しかし、そんな部長が、一大決心をしてプライドを捨て、部下のところまで降りていき、共に結果を作りだすパートナーとして振舞ったのです。すると、部下たちの態度が変わりました。自分のスキルをあてにしてくれる部長の気持ちに応えようという気持ちが起きてきたのです。これもコラボレーションの意識が生んだ成果です。
最後に、部下とのコラボレーションの2つの効果を紹介します。まずは、部下との間に信頼関係を築けること。ただの一歯車ではなく、上司が自分の力をあてにしてくれた、という気持ちは、その上司への信頼感につながります。さらには、上司のこうした姿勢が、チームに伝わると、自然と仲間同士でもコラボレーションしてみようという空気になり、結果としてチーム力が高まります。この連載で何度も出てきますが、これからは、強引な押切型リーダーではなく、どんな相手ともうまく関係を築いていけるSNS型リーダーが求められるのです。ぜひ、新しいリーダーシップスタイルのひとつとして、部下とのコラボレーションという意識を持ってみてください。
次回は、外部とのコラボレーションについてお話しします。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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