新年あけましておめでとうございます。
昨年度は、沖縄、琵琶湖畔、奈良、三浦海岸、京都、大阪など全国17箇所で研修、講演を行いました。毎回、もののみかたを変える、コミュニケーションなど、テーマはさまざまでしたが、なかでも、いまの時代が求めているのかなと感じたものがありました。それは「承認-人を認める」です。
研修というと、何かのスキルやテクニックを学ばせたいというリクエストが多いのですが、この「承認」は、誰しもの中に潜んでいる、心の欲求にスポットをあてたテーマです。人を認めるなんて、そんな当たり前のこと…と思うのですが、これがどうやらいまの若い人たちには難しいらしい。
6月にとある大阪のテナントビルで、ショップの店長さん向けにやった「承認」というテーマでの研修。これは、ふだん職場で相手を認めたり、ほめたりする機会がほとんどないので、意図的にそういう場を作りましょうというねらいです。お互いのいいところを見つけてほめたり、スタッフに感謝のカードを書いたり…。これが思いのほか反応がよくてビックリ。「自分は思ったほど人を褒めてなかったと気づきました」「この研修で人から認められて嬉しかったので、自分も店でスタッフをほめたいと思います」という感想がたくさんありました。昔は、こういう人の心のひだがわかる人が必ず職場に一人二人いて、彼らの存在は、直接的には仕事の成果にはつながらなかったかもしれないけれど、間接的に人の心にうるおいを与えてくれていました。
しかし、そういう人がいなくなったいま、こういう「しかけ」をわざわざつくることが必要な時代なのかもしれません。しかし、認められたいのは、何も若い人ばかりじゃない。実はいまの私たちの上司、団塊世代の人たちも認められたいんです。
11月に、都内のあるIT系企業で「上司への手紙」という研修を行いました。これは、研修の最後に、参加者の上司を会場に招き入れ、サプライズで手紙を読み上げて渡し、感謝の気持ちを伝えましょう、という企画。最初はうまくいくかどうか不安でしたが、この企画は生涯忘れられないものとなりました。感激しました。手紙をもらった部長の皆さんの嬉しそうなお顔がいまでも忘れられません。
職場でいま、大事なのは、一人ひとりをちゃんと「人」として扱ってあげること。それがすべてのやる気やコミュニケーションや成果につながっているんだと実感しました。
これを読んでいる中には、おそらく組織を変えたいと真剣に悩んでいる中間管理職の方々もいらっしゃるでしょう。ぜひ、上司が仕事ができない、部下がやる気がないと嘆く前に、まずは自ら、上司を、そして部下を、承認する、認めることを始めて欲しいのです。
人って、相手が何かしてくれたら動こうと思っている。でも、まず自分から相手にボールを投げてみませんか。きっとこれまでとは違ったなにかが起きるはずです。
今年もたくさんの皆さんにお会いできるのを楽しみにしております。
今年もどうぞよろしく。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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