最近、講演の依頼先でよく「世代間ギャップ」という言葉を耳にします。特に20、30代と40代以上の人たちとの間のギャップを言うようです。不景気で就職氷河期があったため、30代が極端に少なく、30前後の人たちの上はいきなり40代になってしまうため、ポンと世代がずれてしまうんですね。双方とも歩みよろうという気持ちはあるようなのですが、どうもうまくコミュニケーションがとれない。自分流のやり方で一度は試みるものの、お互い跳ね返された感があるようです。
先日、仕事を手伝ってもらう機会のある、20代後半の人たちと話していたときのことです。私もかねてから、若い世代に対して物足りなさを感じていたので、それをぶつけてみました。
私「それでさ、質問はないわけ?もっといろいろ聞いてきてほしいな。質問がないってことは、相手に興味がないか、勉強不足だってことだよね」
20代「…」
やはり答えが返ってきませんでした。ただぎこちない時間が流れ、虚しさが返ってくるばかりでした。(う~ん、これじゃいけないなあ)
このことが気になっていたので、あるとき、ほかの20代前半の若い子をつかまえ、聞いてみることにしました。すると彼の答えはこうです。
「そりゃ、質問してみたいとは思うんですけど、忙しそうだし、自分のために時間をとってもらうのも悪いし・・・」
つまり、とてもとても遠慮しているようなのです。さらに
「じゃあ、どうしてほしいの?」
「先輩たちのほうから、降りてきて、自分たちに声をかけてほしいですね」
「ほう。たとえばどんなこと?」
「いきなり仕事のこととかじゃなくて、彼女のこととか、遊びのこととか・・・」
40代以上の皆さん。これが現実です。おそらく皆さんの心のなかでは
(何っ!そこまでしてやらなきゃいけないのかよ。まったく甘えてるよな)
というのが、正直なところではないでしょうか。でも、それはあなたの価値観です。それを押し付けてはダメです。私は、見方を変えて、これ以来、相手から聞いてくれるのを待つことをやめ、自分が降りていって、いろいろ聞いてみることにしました。するとだんだん彼らのことがわかってくるのです。自分のスタイルを横に置き、相手に合わせるってこういうことか。肌身にしみて実感しました。今度、私なりに、彼らを研究してみるつもりです。そのうち「40代向けの20代接し方マニュアル」ができるかも!?
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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