我が家では、現在、葛西にある中古車ディーラー、T社で買った外国車に乗っています。ほうぼうのディーラーを回ったのち、ここで買うことを決めたのは「年3回、3年間オイル交換無料」のサービスでした。これってすごいことですよね。一回5千円くらいとしても5万円近い負担になる。これはユーザーにとってはとても嬉しいサービス。おまけに行くたびにきれいに洗車してくれます。
あるとき、担当のSさんにこのことを聞いてみました。
「ねえ、このサービスってとてもいいけれど、会社にとっては費用的にマイナスになるんじゃない?」
すると彼の答えはこうでした。
「ええ、たしかに負担は大きいですが、こうすることで、お客さんとしょっちゅう顔を合わせるじゃないですか。車の状態もわかるし。こうしたサービスがないときは、客と顔を合わせるときは、決まって何かトラブルが起きたときなんですよね。だから会ったときから相手は不機嫌っていうか・・・。でも、こうすることで、お客さんの機嫌のいい顔にあえますし、そこから紹介につながっていけばいいかなと・・・。社員で話し合った結果、こうすることにしたんです」
この効果は絶大です。なぜなら、僕は車を買いそうなすべての人に、ここのディーラーのことを宣伝しているし、自然とこの営業マンを助けてあげたいと思ってしまっているのです。そして、またここで買い換えたいとも思っている。きっと同じように感じているお客さんは少なくないはず。現にT社のサイトをみると、車を買った人の納車ブログがあり、そこをみると、「○○さんのご紹介で・・・」というコメントがたくさん載っています。
彼の話でおもしろいのは「故障などのトラブルで会うのと、無料オイル交換で会うのとでは、お客さんの顔が違う」という点です。言われてみると、車のディーラーなんて車検か故障以外には用はないので、いくときにはお金もかかるし、車への不満もたまるしで、いい印象はありませんでした(笑)。でも、こうして4ヶ月おきに顔を合わせ、車のことやら家族のことなどを話すうち、営業のSさんとの信頼関係もでき、中古車に対する見方もガラリと変わってしまいました。
「相手の機嫌のいい顔に会う」
これは営業の基本かもしれませんが、コストをかけてまでもこのサービスを実施しているディーラーをみて、この大切さを実感しました。トラブルがあったときにお客さんと顔を合わせるのではなく、普段から相手のプラスになるコンタクトをしておく(相手に有益な情報の提供、誕生日の電話一本でも)ことって人間関係の基本ですね。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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