さて、今回はモチベーションとものの見方についてです。実は、モチベーションとものの見方には密接な関係があるのです。はじめに次の問題を少し考えてみてください。
「あなたはとあるファミレスの店長です。あるとき、ウエイトレスのバイトの女の子がやめたいといってきました。理由は、仕事が単調でつまらないというのです。さて、あなたならなんと声をかけますか?」
さて、皆さんならこのウエイトレスさんになんと声をかけてあげますか?
どうすれば彼女が再びやる気を出してくれるでしょう…
変化するものに視点を移す
ここでのヒントは、「視点を変える」です。
店長さんは次のように話しました。
「なるほど、たしかに君のしていることはいつも同じだよね。でもちょっと考えてみて。毎日来るお客さんはどうだろう?たとえ同じでも、その人たちの気持ちはどうだろう?ある日は嬉しそうに、でもある日は何がいやなことがあったのか、暗い顔をしているかもしれないね…こうしてみると、毎日変わっていることはたくさんあるよね。君が見ているものって、日々変わらないところだけをみているんじゃないかな?」
こう言われたウエイトレスの彼女は、ハッと気づきました。彼女のなかで視点が変わったのですね。そしてまた同じ仕事をやりがいをもって続けられたということです。
なので、ひとつめのポイントは「変化するものに視点を移す」ということです。
マイナスをプラスに置き換える
ふたつめのポイントは、「マイナスをプラスに置き換える」です。
ここに、ある保険の営業マンがいます。彼は平均100件断られて、やっと1件の受注をとれるそうです。その報酬は約10万円。でも断られ続けてもまったく落ち込むことなく、淡々とこなせるのだそうです。彼はいったいどう考えているのでしょうか。
じつは彼の頭のなかでは、マイナスの出来事をプラスに転換しているのです。つまり、1件断られるごとに1000円稼いだと思っているわけですね。そうとらえることで、断られる、という事実がプラスに置き換わります。それにより、一喜一憂することなく人に会っていけるのですね。
いまできることに着目する
そして3つめのポイントは、「いまできることに着目する」です。
たとえば、自分の目標があまりにも遠いとき、それを思っただけで「やっぱり無理だ」とあきらめたくなってきます。ゴールが遠いとかえってやる気がでないのですね。でもその代り、そこに向かうためにいまできることを探し、それに集中するのです。たとえば私がはじめて本を出すとき、「経験のない自分が本を出すなんて、あまりにも無理だ…」と思いましたが、「でも企画書を作って出版社に送ることならできる」と思い、ひたすら企画書を送り続けました。それが実って、本を出すという夢がかなったのです。
このように、見方を少し変えるだけで、モチベーションを高めることが可能になります。皆さんもやる気が落ちているときには、ちょっと視点を移動してみてください。
次回は、職場で誰もが必ずぶちあたる人間関係の問題をテーマに、ものの見方を考えてみたいと思います。どうぞお楽しみに。
- ★モチベーションを上げるには…
- 1.変化するものに視点を移す
- 2.マイナスをプラスに置き換える
- 3.いまできることに着目する
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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