さて今回は、訪問販売業です。以前、とある女性用下着の訪問販売業の会社にて講演をさせていただいたことがあります。そのときの事例を振り返ってみたいと思います。
研修のテーマ:「自分を励ます5つのヒント」
依頼の背景・課題
この講演は部下を何名か持っているチーフと呼ばれる皆さん約400名が対象でした。事前にこの会社の社長様と事前に打ち合わせをしたときに言われたことは「チーフの皆さんの心のケアをしてほしい」。訪問販売業では、一人ひとりが一事業主として立っていなければならず、物事がうまくいかないときなどはかなりのストレスがかかり、落ち込んだりもします。そんなとき、自己をコントロールできる考え方を養ってほしいというのがリクエストでした。
ものの見方で斬る
訪問販売業では、いろんなことが起きてきます。商品への思いが強いばかりに、相手のことを考えずに押し売りしてしまって、仲のよい友人関係が壊れてしまったり、うまく伝わらずに誤解されたり、製品の良さがうまく伝わらず悔しい思いをしたり…。また部下なる人たちのグループができると、その人たちのマネジメントもしなくてはなりません。多くの方が一主婦から、いきなり小さな会社の社長みたいになるのですから、それは落ち込んだりして当たり前です。
そんな皆様に、観点メガネを使ってもらいました。観点メガネとは、自分にある視点を与えてくれるツールです。私たちは物事がうまくいかないとき、多くの場合「あきらメガネ」をかけています。これは起きた出来事に気持ちを左右され、マイナスの方向に考え、あきらめ、やる気をなくしていく視点です。そこで必要なのが「プラスメガネ」。講演のときには、この会社名をとって「〇〇〇〇メガネ」という名前をつけましたが、このメガネをかけることによって、あえてプラスの切り口を探そうというメガネです。
たとえば、お店を構えても誰も人が来なかった場合。「あぁもうダメだわ。このまま誰も来ないんじゃないかしら」と思うのが「あきらメガネ」ですが、「プラスメガネ」をかけると「ありがたいわ。ふだんコミュニケーションをとれないメンバーさんに連絡する時間ができたわ」となるのです。また今年の目標に届かなかった場合。「まあいいわ。なんとかやっていけるし」というのは「あきらメガネ」ですが、「よし。ここから頑張って来年みんなをびっくりさせるにはいいスタートラインだわ」と自分を奮い立たせるのが「プラスメガネ」なのです。自分でビジネスを切り開いていくには、こうしたいわば「自分にとって都合よく考えるメガネ」が必要になってきます。いちいち落ち込んではいられないのです。
また最後に、「自分を励ます4つのヒント」をご提案しました。
それは
- 1.自分を認める
- 2.変えられるものに集中
- 3.自分に都合よく考える
- 4.プラスのセルフトーク
です。
どれも自分を励まし、出来事に左右されない視点です。
今後の展望
昨今のコロナ禍を見ていますと、満員電車に乗って毎日都心まで通勤するというワーキングスタイルが、だんだん変わりつつあるのを実感しています。そうなってくると個人で行えるこうしたビジネスは、今後ますます増えてくるでしょう。また会社に属しながらも副業として手掛ける人も出てくるでしょう。すると、求められるのがセルフマネジメント力。
会社に雇われの身では、責任を上司や会社のせいにできますが、こうした個人のビジネスは、何が起きても自分の責任。仕事につまずいたときやモチベーションが上がらない時など、いかに自分の気持ちを乱さずに淡々とビジネスを進めていけるかどうかが大切ですね。
さて次回は農機具販売業です。農機具販売というとあまり自分には関係ないと思われるかもしれませんが、ここで起きた「新製品を売り込むための変革に向けたチャレンジ」についてお伝えします。この研修はかなり面白いものでしたし、どの業界でも起こりうることですので、ぜひ皆さんと共有できればと思います。どうぞお楽しみに。
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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