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第6回「チームワーク~チームの定義、年上のメンバーとの関わり方、人の巻き込み方など」
最近はリモートワークなどで出社せずに仕事をしている人も多いご時世となりました。しかし、そうはいっても何等かの部や課などのいわゆるチームに所属しながら仕事をしている人がほとんどだと思います。今回は、ふだん自分は受け身でいる人も、もし自分が人をまとめる立場に立ったときにどう考えたらよいのかをお伝えします。
チームの定義
まずチームとは「同じ目的」を持ち「協働しよう」という意欲があり、かつ「調和のとれた集団」のことを意味します。似た言葉にグループがありますが、これら3つのうちのどれかが欠けるとグループになります。たとえば観光ツアーの集団は、「スカイツリー」を見たいという同じ目的があっても、そのために一緒に何かを手伝おうという意欲はありません。なので、チームを意識するときには、まずこの3つを確認しましょう。
共通項をあえてつくる
チームを意識しやすいのは、そのチームだけが持つ何か(アイテム、言葉、習慣、話題など)を作ることです。視覚化できるとなおいいですね。チームTシャツなどは分かりやすい例です。同じものを着ていると、不思議と同胞意識が生まれるものです。会社のパーパスなども会社というチームが共有する言葉です。またチームメンバーだけが知っているスローガンや合言葉も同じですね。また定期的に顔を合わせる、オンラインのミーティングをするなど、皆がつながる時間を作ることも大切です。よくカードや冊子にした会社の行動指針やクレド(信条)のようなものを社員に配ったりする会社がありますが、そうしたものもチームへの所属意識を醸成するのに役立っています。
人の巻き込み方
人は感情で動く生き物です。もちろんデータや理屈も必要ですが、一番はリーダー(あなた自身)が、このチームでこれを成し遂げたいという強烈な強い思いを持つことが大切です。それがあれば、熱意は人に伝わっていくはずです。
あなたのチームの人数が仮に10人だったとしましょう。人を動かしていくときの基本は、まずは一人を巻き込むこと。自分に一番賛同してくれそうな人を見つけ、その人に思いを伝え、助けてもらうのです。そしてもう一人、もう一人とだんだん自分のシンパ(共鳴者)を増やしていきましょう。
どうやって相手を巻き込むかですが、一番いいのは「相談」することです。「ちょっと話したいことがあるんだけど」「~さんの意見を聞きたいんだけど」のように声をかけていくことです。相談されるという行為は、自分を当てにしてくれているということなので、相手は快く応じてくれるでしょう。そして一度相談されると、人は自分もその当事者に巻き込まれたような感じがしてしまうものです。独善的なリーダーはこれができず、自分の思い込みで突っ走ってしまうので、誰もついては来ません。
またチーム内に年上のメンバーがいるときには、「頼る、相談する」のスタンスで接するとよいでしょう。年長者にもプライドがありますので、無下に接したりせず、きちんと人としてのリスペクトを持ちながら仕事を依頼しましょう。そうしていれば、いざというときに助けてくれるはずです。
メンバー同士の距離感を近づける
メンバーが集まった時などには、会社の会議室でもいいですので、ケータリングサービスなどを頼んで、皆が歓談しあえる場をつくりましょう。仕事以外の会話を通じてお互いを知る貴重な時間となります。またチームビルディングアクティビティを実施するのもメンバー間のつながりを強めるのにとても役立ちます。ボールを運んだりフラフープを使ったりして、何かのタスクを協働で達成するという体験を通じて、チームでの達成感を味わうことができます。本来ならこうした達成感を仕事で味わえればよいのですが、実際なかなか仕事では体験できないので、それを疑似体験できるというメリットがあります。こうした体験を通じて、チームのつながりが強まり仕事の効率アップに繋がっていきます。
もし皆さんがチームをまとめる立場に立ったとき、まずはこうしたポイントを押さえていけば、チームが機能し始めるはずです。ぜひ覚えておいてください。
【チームワーク】
- チームの定義:同じ目的を持ち、協働しようという意欲があり、かつ調和のとれている集団のこと
- 共通項をつくる:アイテム、言葉、習慣、話題など
- 人の巻き込み方:まずは自分の思いが大切。そして一人ずつ共鳴者を増やしていく
- メンバー同士の距離感を近づける:チームビルディングアクティビティなどを活用する
川村透かわむらとおる
川村透事務所 代表
「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…
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