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2025年03月24日

若手ビジネスパーソンの教科書~まとめ

第12回「若手ビジネスパーソンの教科書~まとめ」

さてこのテーマでの連載も今回が最後となりましたので、まとめ編を書いておきたいと思います。
一年間、以下の内容でつづってきました:

◎連載の目次

  1. はじめに
  2. 働くとは何か
  3. モチベーションの作り方
  4. 壁を乗り越える思考術~ネガティブをポジティブに変えるものの見方
  5. 職場でのコミュニケーション術~上司とのかかわり方、円滑に仕事を進めていくためのコツなど
  6. チームワーク~チームの定義、年上のメンバーとの関わり方、人の巻き込み方など
  7. リーダーシップについて~これからリーダーになるためにいま学んでおきたいこと
  8. イノベーションの起こし方
  9. キャリアの作り方
  10. お悩み相談室(前半)~若手ビジネスパーソンからの質問に答えます
  11. お悩み相談室(後半)~若手ビジネスパーソンからの質問に答えます

この内容にしたのは、初回にも書きましたが、最近の職場では、効率化、分業化が進んだために、無駄は確かに減りましたが、その分人同士のコミュニケーションが減り、ノウハウの継承などがうまくいっていないことが多いため、その穴を少しでも埋めたいという思いからでした。連載当初にそう思って始めましたが、終わりになるいま、この思いはさらに強くなっています。先日もある企業様からも以下のような悩みを伺いました:

今後、いま組織の上部にいる50代が大量に退職するため、若手を積極的に採用しているのだが、ノウハウを伝承していく際に、お互いの「遠慮」があり(上司はパワハラになる恐れ、部下はこんなことを聞いてよいのかという恐れ)、コミュニケーションがうまく取れない

ですので、この問題は継続的に取り組んでいかねばならない課題だと感じています。

ノウハウをどう伝えるか

前述したとおり、昭和の職人気質の上司は、きっといまの令和の若者にノウハウを伝えるのに苦労するでしょう。そうした場合には、やはりいまの時代にあった方法を探さなくてはいけません。たとえば動画コンテンツの作成です。社内でノウハウを継承するコンテンツの作成部隊を立ち上げ、その人たちが昭和の先輩たちにインタビューをしたり作業風景を取りながら、言語化できていなかったノウハウをできるだけデジタル化していく。それならば若い人にも受け入れられやすいでしょう。またこうしておけば、見る側の好きな時間に好きな場所で見ることができます。こうした方向性を考えたほうがよいでしょう。また昔気質のシニア層にも、話の通じる中間層が関わり、いまの若者の価値観を伝達し、少しでも柔らかく接してもらえるよう、変化を促す努力も必要でしょう。

リアルの触れ合いで学べる情報量の多さ

もちろん、本を読んだり動画を見たりすることで、多くのノウハウを身につけることは可能です。しかし、伝えにくいノウハウもあります。たとえばチームワークとか、リーダーシップとか、それこそコミュニケーション。こうしたものは、リアルタイムでその場で瞬時に起きていくもので、ひとつとして同じ場面はありません。こうしたノウハウを得るベストの方法は、それをいま実際にやっている先輩に張り付いて、一挙手一投足を見ることです。ライブを動画で見るのと、現場で体験するのではだいぶ感性に訴える情報量が違うのと同じで、その場でリアルに接していればこそ、気づいたり感じたりすることがあるものです。どれだけ効率化が進んでも、人と人が仕事をするのには変わりませんので、この部分は切り捨てず、リアルからの学びという枠を残しておいてほしいものです。

若手ビジネスパーソンの課題

本連載において、若い人に知っておいてほしいすべてを伝えきることはできませんでした。若手ビジネスパーソンの皆さんはとても優秀です。ITを駆使し、無駄を排除し効率的に仕事を進めていけると思います。さらに次のステップを目指すのであれば、そのヒントはやはり非言語コミュニケーションにあると思います。対人コミュニケーションの中にあるちょっとした気遣いや目配り、前準備など、そのあたりのヒューマンスキルを高めることで、効率+対人スキルがあがり、次のステップへ進むことができるはずです。皆さんのご活躍をお祈りしております。一年間お付き合いいただきありがとうございました。

(次回より新テーマとなります)

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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