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あなたがもし、店長だったとしたら「辞めたいというアルバイトにどんな言葉をかけますか?」。このアルバイトさんは、ファミリーレストランのウェイトレスです。アルバイトを始めてちょうど1年。よく気も付き、お客様からの評判もよく、お店の中でも中心的存在です。しかし、突然の彼女からの相談でこのアルバイトを辞めたいといいます。理由をよく聞いてみると、毎日が同じ作業の繰り返しで、つまらなくなってしまったとのことでした。できれば彼女にはお店に残ってもらい、リーダーとして力を発揮してもらいたいと考えています。さて、貴方が店長だったら彼女にどう言葉をかけるでしょうか。
「時給を上げてあげるよ」、「お客様からこんなお礼の言葉をもらっているよ」、「厨房の仕事もしてみるかい?」。そういった言葉も間違いではありません。正解はひとつではないのです。実は、これは実際にあった話なのですが、その時の店長はこんなことを彼女に話しました。
「毎日が同じことの繰り返しだと思うのはどうして?お客さまをお迎えして、注文をとって、料理を運んで、お皿を片付ける。確かに作業だけを見たら、たったそれだけのことかもしれないね。でも来店するお客様は毎日変わるし、もし同じお客様が来店したとしても、気分や体調はその日によって違うよね。ということは注文も毎日違うはずだよ。もっとお客様をよく見て働いてみてはどうだろうか。やることではなく、その日のお客様を見れば毎日は同じではないと思うんだ」。
この店長は見事に彼女の「もののみかた」を変えてあげたのです。 彼女の毎日の作業は、これからも変わらないでしょう。しかしながら、その事実を違った見方をすることで事実に新しい意味を加えてあげたのです。<作業>というところだけを見ていた彼女の視点を<お客様>へと変えたのです。
目の前で起きている事実はひとつしかありません。しかし、その事実をどう意味づけするかということは、その事実を見ている人が決めることです。ひとつの事実に対して、プラスアルファの意味づけをするのか、マイナスの意味づけをするのか、すべて自分次第なのです。
残念なことにこうしたことには、なかなか自分では気づくことができません。この話の店長のように、ひとことでもののみかたを変えてあげることで、がらりとその人の視野は転換するのです。 この彼女、その後どうなったかというと、その後もアルバイトを続け副店長になったそうです!教えることも管理することも店長の重要な業務です。しかし本当に必要なのは、部下に対して気づきを与えてあげられるかどうか、ではないでしょうか。
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(2012年12月27日 / 発信:「講演依頼.com」 研修チーム)
「発想転換トレーニング ~もののみかたを変えてみませんか~」 (講師:川村透)
特集―店長研修
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