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現在、日本においてもSDGsの活動が大きな広がりを見せています。この国連のSGDs活動は多くの企業や組織の参加を期待して、極めてオープンな形で普及が進められていますので、あらゆる企業や団体はSDGs活動に取り組むことができます。今回は、企業や団体のSDGs活動への参加方法についてふれてみます。
SDGsの17の目標
SDGsとはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、エスディージーズと発音します。国連が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた活動で、17の目標と169の達成基準が定められています。SDGsの17の目標は次の通りです。
- 1.貧困をなくそう
- 2.飢餓をゼロに
- 3.すべての人に健康と福祉を
- 4.質の高い教育をみんなに
- 5.ジェンダー平等の実現
- 6.安全な水とトイレを世界中に
- 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 8.働きがいも経済成長も
- 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
- 10.人や国の不平等をなくそう
- 11.住み続けられるまちづくりを
- 12.つくる責任つかう責任
- 13.気候変動に具体的な対策を
- 14.海の豊かさを守ろう
- 15.陸の豊かさも守ろう
- 16.平和と公正をすべての人に
- 17.パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsに取り組む目的
企業から各種団体、行政機関に至るまで、広くSDGsに取り組むことができます。政府、企業、地方自治体、市民社会がSDGsに取り組む動機や目的を整理しますと次の通りです。
政府の目的
政府は、国際社会における主導力の獲得、日本の発展などが主たる目的です。
企業の目的
企業においてはビジネスチャンスや企業価値の創造など、本業としてSDGsの推進が目的です。SDGsには「企業イメージの向上」「社会課題への対応」「生存戦略になる」「新たな事業機会の創出」などのメリットがあり、さらに企業の信頼性が高まり人材確保にも効果がある他、従業員のモチベーション向上に寄与するなど、社内教育としても効果があります。また、投資などの条件で有利に働いたり、地域との連携や新規取引先の獲得、新規事業開拓なども期待できます。
企業においては、新しく何かを始めなくても自社が取り組んでいる事業や、節水・節電、社員の福利厚生に係る制度などとSDGsのゴールを紐づけることで、多大なコストをかけずにすみ、また、ビジネスチャンスの機会を創出することが可能です。意思決定のスピードや地域との密着性、柔軟性が高いなどの面から、中小企業や小規模事業者にとってもSDGsは取り組みやすいものです。
地方自治体・市民社会の目的
地方自治体においては、地方の魅力や強みをアピールでき、また地域社会の発展にも寄与します。市民社会においては、SDGsを通じて市民の声を発信したり、社会貢献を行うことができます。
企業がSDGsに取り組む留意点
SDGsはどのような企業・団体でも、特別の許可などは原則として不要で、いつからでも取り組むことができます。企業の規模は様々ですが、始めるにあたっては企業の身の丈に合った形で取り組むと良いでしょう。
取り組むにあたり一番大切なことはSDGsの理念をよく理解することです。取り組みに当たっては、SDGsの17の目標と169の達成基準のどれか(複数可)と、自社の活動の一部もしくは全部が結びつくときは直ぐにSDGs活動をスタートできます。もちろん、自社の活動とは関係なく、SDGsの目標のどれかを掲げて新しく活動することもできます。また、福祉団体などに寄付することもSDGs活動になります。
SDGs活動では、取り組み過程や結果を一貫した方法で公表することが求められています。参加する企業や団体にとって、公表することがSDGs活動を行っている証になります。公表にはいろいろの方法があります。大企業などでは報告書などのような形での公表が必要でしょうが、そうでない場合はインターネトで公表することも一法です。インターネット利用の場合は、公表にさほど経費もかからず、また多くの人にSDGsへの取り組みを知ってもらうことができます。
SDGsの活動を宣伝・広告に使うことができます。例えば、ある企業が環境関連商品を販売している場合、そのことをSDGs活動として宣伝したり、広告に載せることができます。ただし、宣伝・広告の内容が間違っていたり誇張されていたりすると、社会から批判を受けることにもなりますので、宣伝・広告は正しく節度ある方法でなければなりません。
SDGsのロゴの使用について
SDGsのロゴは国際連合広報センターからインターネットを通してダウンロードすることができます。SDGsのロゴの使用にあたり申請や許可は基本的には不要で、誰でも使うことができます。
ただし、SDGsのロゴの色を変える、活字書体を変えるなどは原則として行うことができません。行っても良いことはSDGsロゴの完全な白黒、もしくはカラー反転のみです。なお、SDGsのロゴを、会社のロゴ等と組み合わせて使いたい時などは許可が必要です。
企業の具体的な取り組み事例
SDGsの17の目標は上述の通りですが、企業でSDGsに取り組む場合は、企業の活動と17の目標に合う事柄から取り組んでいく方法が良いと思います。例えば、省エネ住宅を販売している企業では、13の「気候変動に具体的な対策を」に相当します。また、男女平等の立場から女性が働きやすい職場作りに取り組んでいる活動は、5の「ジェンダー平等の実現」に関連させることができます。健康・福祉機器や商品の販売は、3の「すべての人に健康と福祉を」に関連します。
安全保障理事会の活動に見られますように、国連においては戦争や軍事的紛争の解決の活動が注目されます。しかし、国際社会が抱える様々な問題の解決も国連の大きな役割です。前述の17の目標からなるSDGs活動は、まさにこれから国連が一層力を入れて取り組むべき人類的課題です。
SDGsは多くの企業や団体の参加を期待して非常にオープンな国連の活動です。SDGsの理念を理解の上、日本においても多くの企業や団体がSDGsに参加されることを期待致します。
追記:私のインタビュー記事を含め、講演依頼.comの下記のサイトにSDGsの特集記事が掲載されています。SDGsの意義や目的の理解の参考にしてください。
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お役立ちコンテンツSDGs-私たちにできることーでは、「SDGsとは?」「SDGsにどのように取り組んでいけばよいのか?」といった多くの方が疑問に思っている事柄に関して有識者にインタビューした内容、また企業や各種団体の取り組み例等、SDGsに関連することをご紹介しています。
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また、弊社には、SDGs(持続可能な開発目標)特集もございます。
「SDGs(持続可能な開発目標)」をテーマにした講演の講師をお探しの方はご参照ください。
進藤勇治しんどうゆうじ
産業評論家
経済・産業問題、エネルギー・環境問題、SDGs、コロナ問題をテーマとした講演実績多数! 経済・産業問題やエネルギー・環境・災害問題、SDGs、コロナ問題などについて最新の情報を提供しつつ、社会…
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