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藤原志帆子

藤原志帆子藤原志帆子ふじわらしほこ

非営利活動法人ポラリスプロジェクトジャパン 代表

藤原志帆子

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私は、人身取引問題が国際社会や米国にて問題視され始めたころより、この問題に取り組み、以後一貫して人身取引と闘ってきました。被害者のための窓口(ホットライン)を立ち上げ、被害者救済の現場で、日々奮闘しています。人身取引に関する最新の情報と、自ら身をもって経験した事実に基づいて、すぐ近くで起きているかもしれない人権問題、私たちの子どもたちの深刻な状況と、今私たちにできることをお話しさせていただきます。

出身・ゆかり

専門分野

人身取引問題(売買春/労働搾取/幼児ポルノ)

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経歴

1981年
北海道生まれ 
2002年
米国ウィスコンシン大学卒業NPOポラリスプロジェクト(ワシントンDC)で人身取引撲滅に尽力 
2004年
NPOポラリスプロジェクトの日本事務所立ち上げ、代表となる 
2005年
相談電話開始。開始後まもなく緊急のケースも含め、外国人女性の人身取引に関する相談が多く入るようになる 
2006年
警察や支援者向けの啓発ブックレットを発行。意識向上のための警察、大使館向けのワークショップを開催。 
2007年
日本における主要「反人身取引団体」に成長。国内外での講演の機会や外国政府、NPO団体の面会依頼が増加。 
2008年
メディア、活動家、学生等関心のある人々が、人身取引を多角的に知る唯一の機会としてセミナーを開始。(※現在も原則として毎月開催)ウィスコンシン大学名誉卒業生賞受賞 
2009年
NPO法人格取得。児童や女性への人身取引の相談が増えたことを受け、買春やポルノに巻き込まれる子どもたちを守るためのアウトリーチを開始し、外国特派員協会で記者会見を実施。 
2010年
日本で特に遅れている児童ポルノ問題について、多くの相談を受けていたことから、他団体と協力し取り組みを行う。 
2011年
国会議員会館で院内集会を実施。世界各国の有識者、実務家を集めて国際シンポジュウムを実施。「日本を立て直す100人」(アエラ)の一人に選ばれる。 

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主な講演テーマ

「人身取引について」

「人身取引について」

人身取引という言葉は、私たちにあまりなじみの無い言葉でしょう。人身取引とはずばり「人身売買」のことです。これならみなさんも簡単にイメージが沸くと思います。しかし、この国で人身取引が起こっていることは想像できますか?実は、今この瞬間にも、多くの人たちがこの国で人身取引されています。人身取引はどこか遠く貧しい国で起こっているのではなく、ここ日本でも直面している大きな社会問題なのです。では人身取引とはどのようなものなのでしょうか。2000年に採択された国連議定書に人身取引の定義が明記されています。それによると、人身取引とは人に売春や労働をさせるために、脅迫や暴力などの手段を使って人を移動させたり監視・監禁したりすることです。被害者が児童の場合は、たとえ脅迫や暴力などの手段が使われていなくても、売春や労働目的で働かせるだけで人身取引になります。人身取引は、いまや麻薬に次ぐ世界第2の犯罪産業となっており、その被害者のほとんどが若い女性や、児童であるとことが特徴です。日本の人身取引の例としては、ウェイトレスや家政婦の仕事があると騙してフィリピン人を日本に連れてきて実際は性産業に従事させたり、アイドルになれると騙して日本人の幼いの女の子を児童ポルノに出演させたりするものです。人身取引に対する日本の取り組みは大変遅れています。毎年、米国国務省が発表する、世界186カ国・地域の政府の人身取引対策についての評価報告書では、対策が十分に取れていないとして、韓国や台湾より下のランクにランク付けされました。対応が遅れている理由の一つとして、人身取引の被害者が、自分は犯罪を犯しているのだから助けを求めることはできないと思い込んでいたり、日頃の厳しい労働環境から肉体的にも精神的に弱ってしまって声を上げられないことが挙げられます。そこで私は、被害者に接する可能性が最も大きい警察、医療関係の方々をはじめ、被害者が身近にいるかもしれない一般市民のみなさまが被害者のSOS見落とさないように、8年間の被害者支援活動経験で得た被害者救出に必要な情報を共有させて頂きます。ひとりでも多くの被害者を発見することは、危険な人物(加害者)の逮捕にも結びつき、安全な地域作りにつながります。日本で唯一の反人身取引団体のポラリスが対応してきた様々な人身取引の事例と、ポラリスしか聞くことが出来なかった被害者の生の声をを紹介するともに、みなさんと一緒に人身取引問題について考え、理解を深めることが目標です。

「人身取引の被害者にならないために」

「人身取引の被害者にならないために」

講演テーマ「人身取引について」でご説明したように、人身取引は今の日本にも多く存在し、その対策は十分とは言えません。つまり、身近にいる若い女性や子どもたちがいつ人身取引の被害者になってもおかしくないという事です。虐待に耐えられず家出をした少女が、ボーイフレンドに「泊めてやる代わりに稼いでこい」と売春を強要されたり、女性が「高時給で簡単なお仕事だからやってみない?」と嘘の言葉に騙された結果、そのまま売春組織に売り飛ばされたりするケース。毎日どこかで起きているようなこんな事件も、人身取引です。また、生活に困った親が簡単に稼ぎをを得るために自分の子どもを、児童ポルノに出演させたりする例もあります。老若男女関係なく、すべての日本人が人身取引の危険と隣り合わせなのです。一度、被害者になってしまうと、そこから抜け出すのは容易ではありません。本人に罪の意識があることや、暴力を受けたり薬物漬けにされたりすることにより、心身ともに深く傷つき、新しい人生に挑戦する気力自体を失ってしまうのです。また、インターネットにアップロードされた画像・動画は拡散され続け、半永久的にインターネット上から消えることはありません。児童ポルノの被害者は、一生誰かに自分の姿を搾取されるという運命から逃れられず、苦しみ続けます。わたしは、自分が実際に接してきた被害者少女たちや反人身取引活動の中で得た児童ポルノ関連の情報・知識から、これ以上この国から被害者を生み出さないためにはどうしたらいいか、未然に防ぐ策を具体的にお話をします。

「人身取引の加害者にならないために」

「人身取引の加害者にならないために」

人身取引が発生し続ける原因の一つは、言うまでもなく人身取引に対する需要があるからです。売買春に関してはいろいろ意見があることは十分承知しておりますし、あえて講演のテーマには取り上げるつもりはありません。性産業が溢れている日本にいると、性を買うことに何の疑問を持たないかもしれません。自分が買春することはそこで働く女性のためにもなる、くらいの意見をお持ちの方もいらっしゃると思います。しかし、自分が売春する相手が人身取引の被害者である可能性があることについて一緒に考えていただきたいのです。また、性サービスの普及だけでなく、若者の顔を合わせてのコミュニケーションを嫌う傾向や、濃密な人間関係を避ける傾向が、人身取引の加害者になる理由のひとつかもしれないと考えています。つまり、健康で生産的な人間関係が増えれば、加害者になることを回避できるのではないかと考えています。これらの問題提起を、人身取引の加害者になってしまう可能性のある方々に行っていきたいと思っています。

「日本国内で身近に起きている人身取引に巻き込まれない為に」

「日本国内で身近に起きている人身取引に巻き込まれない為に」

海外の問題だと思われがちの、人が人を売り買いする人身取引。現代の奴隷制とも言われるこの問題は、実は日本でもずっと昔から行われています。主な人身取引とは(1)性的搾取、(2)労働搾取、(3)臓器売買、などを指しますが、講演では、日本国内で現在ニュースとして報道されているものや、新しく起きた人身取引の事件、それに関連する社会問題、また最新の被害者の情報や加害者象など分析し、講演先の地域に密着した事例と共に、子どもや地域で取り組める防止策をお話しします。

「企業コンプライアンスとしての児童ポルノ、未成年売買春問題」

「企業コンプライアンスとしての児童ポルノ、未成年売買春問題」

公職の立場の人や、大手企業、メディアの社員が、児童ポルノ購入少女買春で逮捕などの事件は、連日マスメディアによって報道されています。昨今、企業としての危機管理が以前より叫ばれると共に、企業に勤める社員のモラルの低下や、犯罪などが目立つようになってきています。パワハラやセクハラなど、社員のモラルに関しての研修を入れる企業は増えて来ている反面、企業内の教育では手の届かない内容も多く、特に性犯罪、子どもの姓を利用した犯罪などの教育、啓蒙・啓発、また防止・抑止について、リスクが高いにも関わらず、カバーできていないのが現状です。8年間、日本の性犯罪の被害者支援に取り組み、被害者だけでなく、加害者からも生の声を聞いてきたポラリスプロジェクトが、その実態や状況、具体的な防止策など講義し、事前防止に務める研修を実施します。<企業側メリット> (1)企業の社員に事前研修することにより、可能性を事前に察知するなど社内体制の強化(質の高い企業コンプライアンス) (2)海外勤務に起こりがちな、買春のリスクを知ることで犯罪に容易に加担することを防ぐ(海外の法律などを知れる) (3)社員の中で子どもを持つ親への啓発活動(加害者を減らすだけではなく、社員の被害者を減らす) (4)すでに問題を起こした社員のいる企業にとっても、その後の社会や社員への法人としての見解や対策を示すしるしになる。

主な実績

講演実績

【受賞】
2008年 ウィスコンシン大学名誉卒業生賞受賞
2011年 「日本を立て直す100人」(アエラ)の一人に選ばれる

【講演実績】
お互いを尊重する恋愛って?デートDV(鹿児島短期大学)
他人事じゃない、女性や子どもの人身取引(はばたき21)
命とカラダ~10代の少女たちの今と性(てのひら)
携帯電話、インターネットから起きる性犯罪事件(都立荒川商業高校)
少年非行の背景を考える 居場所を求める少年たち(東京都)
児童ポルノ法改正を求めるシンポジュウム(CSECジャパンフォーラム)
性の商品化とポルノグラフィー(港区男女平等参画フォーラム)
日本の人身売買の課題と今後の取り組み(人身売買禁止ネットワーク、反差別国際運動日本委員会)
The Evolution of Human Trafficking in Japan(テンプル大学日本校)
人身売買解決のために立ち上がった大学生企業家(立教女学院短期大学)
Migration,Multi-cultural society,and Human Trafficking(東京大学大学院総合文化研究会)
Evolution of Human Trafficking(St.Mary’S International Boy’S School in Tokyo)
人身売買と企業のリスクマネージメント(立教大学大学院)

【TV】
NHK「Bizスポワイド」
NHK「おはよう日本」
TBS「Nスタ」

【記事掲載など】
読売新聞「児童ポルノ:ネットの誘惑」
Asian Politics&Policy
TBS NHK 「人身売買問題に関するシンポが開催される」
The JAPAN Time
 「A light of hope for abused children How the Polaris Project helped police score a rare victory against sexual predators」
神奈川新聞「児童ポルノ規制強化訴えシンポ」
産経新聞「急成長する援デリのうまみと落とし穴」
週刊SPA「私は娘の裸を売りました」

【関連図書】
『ハーフ・ザ・スカイ』(英治出版)ニコラス・D・クリストフ、シェリル・ウーダン著、北村 陽子訳、藤原志帆子解説
『平和は人権―普遍的実現をめざして』(解放出版社)反差別国際運動日本委員会編集

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